紳士服はるやま「創業家分裂」で露呈した深刻事態 姉や父が猛反対の取締役再任案は可決されたが
「スーツで日本を健康に」――。全国に「はるやま」や「P.S.FA」などのスーツ店を展開する、紳士服量販国内4位のはるやまホールディングス。キャッチコピーから漂う爽やかな印象とはかけ離れた異例の事態が、会社の経営を大きく揺さぶっている。
6月29日、岡山市の本社で開かれた株主総会。創業者の長男で、前社長の治山正史氏の取締役再任が賛成57%、反対42%で可決された。ほかの会社側の提出議案もすべて可決され、正史氏は会長に、代わって同業・AOKIホールディングス出身の中村宏明氏が創業家以外で初の社長に、それぞれ就任した。
この結果に、正史氏は胸をなで下ろしたに違いない。というのも、正史氏の取締役再任に対し、実の姉に当たる岩渕典子氏や父で創業者の治山正次氏ら、大株主である創業家の一部が猛反対していたからだ。
総会開催直前には、岩渕氏がはるやまHDの株主宛に「正史氏の取締役選任反対のお願い」と題した手紙を郵送し、ツイッター上などで話題となっていた。
正史氏は「アイデアマン」で知られたが
「パワハラの犠牲者が増えて、会社全体が回らなくなっている。正史氏の支配から社員・取引先を救出し、まっとうな会社にすることがわれわれの願いだ」。創業家関係者は、正史氏の再任反対についてほかの株主にも呼びかけた理由をこう説明する。
この記事は会員限定です。登録すると続きをお読み頂けます。
登録は簡単3ステップ
東洋経済のオリジナル記事1,000本以上が読み放題
おすすめ情報をメルマガでお届け
無料会員登録はこちら
ログインはこちら