「職人の技能伝承はデジタル化で、一気に」 インタビュー/京セラ社長 谷本秀夫
過去最高となる1700億円もの設備投資を計画している京セラ。一方で生産現場の高齢化と人手不足が深刻になっている。谷本秀夫社長率いる京セラは、この状況をどのようにして打破していくのか。
人材の獲得は難しくなっている
――社長就任時からAIやロボティクスを活用する「生産性倍増」を掲げてきました。
京セラの製造部門は時間当たりの生産高(1カ月に生産した金額を生産にかけた総時間で割ったもの)を生産性の指標にしている。ファインセラミック事業部では滋賀県の蒲生工場でモデルラインを3つ設置し、これにより手作業でやっていたものから生産性が10倍になった。10倍ということはそのプロセス(生産工程)にかかる人手が10分の1になるということだ。効果は出ている。
(生産性倍増を掲げた)きっかけは2014年に私がファインセラミック事業本部長になったことだ。生産現場で最も多かった世代は京セラが高成長していた1980年代に採用された50代で、彼らじゃないと(製品を)作ることができないということもあった。
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