山口県南部を走るJR西日本宇部線は、山陽新幹線・山陽本線・山口線も乗り入れる新山口駅から、宇部新川駅を経由して山陽本線宇部駅に達する33.2kmの路線である。宇部市の中心駅は宇部駅ではなく、宇部線の宇部新川駅にある。
この宇部線に一時期、鉄道を廃止してBRT(バス高速輸送システム)に転換するという計画があった。が、今年1月、一転して計画凍結と発表された。この間に何が起こったのか。
かつては貨物列車が往来した
宇部新川駅の西隣の居能駅からは、同じJR西日本の小野田線が山陽本線小野田駅まで延びており、途中の雀田駅から長門本山駅までの通称・本山支線も持つ。営業キロは13.9kmだ。
両線ともかつては貨物列車も運転しており、専用線も多数あった。県内に石灰石鉱山が複数あり、石灰石などを運ぶ列車が多数走っていた。しかし宇部市で創業した宇部興産が専用道路を建設するなどしてトラック輸送に転換したため、貨物線は全廃された。
宇部線・小野田線と言えば、旧型国電と呼ばれる昔の車両が生き残っていたことで知られる。とりわけ小野田線の本山支線はホームの長さの関係で、JR最後の旧型国電「クモハ42形」が営業運行する路線として、鉄道ファンなどから注目を集めていた。
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