絶対権力者が一夜にして息子によって追放される──。2017年、そんなシェイクスピア悲劇を想起させるドラマがユニバーサルエンターテインメントで展開された。
「ふざけた話があるか! 役員会なんかもうやらねえよ! ふざけんな、もうまったく!」
2017年5月23日、東京・有明の本社ビルで開かれたパチスロ機大手、ユニバーサルエンターテインメント(UE)の臨時取締役会。激怒した岡田和生会長は立ち上がると、資料を机にたたきつけた。
「何だよ、俺の会社だよ、おまえら、いくら威張ったって!」
その日の取締役会はそもそも岡田氏が招集したものだ。11日前、香港にある岡田家の資産管理会社「オカダ・ホールディングス」(OHL)では異変が生じていた。前触れなく岡田氏が代表を解任され、見知らぬ日本人が代わりに就任していたのだ。同社のUE株保有割合は約7割。そこでこの動きを封じ込めようと、岡田氏は自身を割当先にUEがストックオプションを大量発行すべきと提案した。
岡田氏が2時間近くほぼ一方的にしゃべり続けた末、この強引な計画はようやく採決にかけられた。結果は圧倒的な否決だ。発行条件が何も決まっていないから、ほかの取締役は検討のしようがない。
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