日韓にまたがる異形の財閥ロッテのお家騒動は収束の兆しを見せない。韓国での相次ぐ不祥事がありながら、実兄を追放し実父を無力化した創業家次男の非情な支配が続く。
昨年7月1日、ロッテホールディングス(HD)で11年ぶりの社長交代があった。新たに社長を兼務することとなったのは創業家出身の重光昭夫会長である。住友銀行OBの佃孝之社長は取締役特別常任顧問へと退き、半ばお払い箱となった形だ。昭夫氏は3カ月前、副会長職から長年空席だった会長の座に納まったばかり。それに続く社長兼務は日韓にまたがる巨大財閥を統率するトップの座を名実共に固めたものといえる。
が、一連の動きは日本の常識からすると一種異様ともいえた。昭夫氏は2016年、韓国で背任罪に問われ、さらに翌17年に朴槿恵(パククネ)前大統領への贈賄罪で起訴。19年10月、韓国大法院で上訴は棄却され懲役2年6カ月・執行猶予4年の有罪判決が確定した。刑務所からの遠隔経営も珍しくない韓国では、有罪判決を受けたトップの居座りにさしたる社会的批判は起こらない。が、日本では違う。起訴段階での辞任が常識であり、執行猶予期間中の復帰もありえない。
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