昨今の企業不祥事で決まって設置される外部弁護士らによる第三者委員会。時の社内権力から独立を保ち本当に公正な評価を下せるのか──。それを考えさせられる事例がある。
2018年6月28日、JPホールディングスの定時株主総会は事前の予想どおり冒頭から荒れに荒れた。
「議長、動議! 動議!」
荻田和宏社長が開会を宣言するや否や会場から真っ先に声を上げたのは、3年前に社外へと去っていた創業者の山口洋氏だった。その日の総会には荻田氏の放逐を目指す役員選任案が株主から出されていた。提出したのは大阪府内の「ページワン」なる会社だったが、実態は定かでなかった。
くだんの山口氏はその年1月に持ち株のほとんどを「マザーケアジャパン」なるこれまた実態不明の会社に売却しており、表面上はJP社から手を引いたかに見えていた。が、この日も山口氏は総会に姿を見せたのである。ページワンとの関係はよくわからないが、裏側で何らかの権謀術数が巡らされていることは明らかだった。
荻田氏は引きずり降ろされ、代わりに大手証券会社OBが議長席に着いた。山口氏の要求は続く。
「会社側の弁護士を退席させてください。早くしなさい!」
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