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中国「半導体強国」へ猛進 米国の強硬策はオウンゴールに

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技術的自立を本気で目指す中国。西側の企業は生存空間を狭められそうだ。

半導体供給網を見直す大統領令に署名するバイデン氏(ロイター/アフロ)

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米バイデン政権はトランプ前政権のハイテク冷戦政策を大筋で踏襲するとの見方が強いが、あの政策は大きな弊害を生んだ。

「中国ファーウェイ(華為技術)に物を売るな、買うな」のボイコット政策は、「5G(第5世代通信網)整備がすぐ始まるのに、同盟国が同調してくれない」焦りがあったのだろうが、あまりになりふり構わずだった。

それで同社を仕留められたわけでもなく、逆に「外敵に徹底抗戦」という近代中国のDNAを改めて呼び覚ましてしまった。

西側でこの政策のとばっちりを受ける産業は半導体・部品産業に限らない。昨今の車載半導体不足は殺到する注文に台湾のTSMCが対応しきれないのが原因だというが、米国の制裁でSMICなど中国ファウンドリーに発注しづらくなったことも一因だろう。半導体需給全体を攪乱したのだ。

中国を猛然たる「半導体国産化」政策に向かわせたことがいちばん罪深い。今年から始まる中国の新しい5カ年計画は、今後の内需拡大のカギとして、技術革新や科学技術に「5段抜き大見出し」のような重点を置いている。トランプ政権のチップ禁輸策で痛撃されたサプライチェーンの脆弱性克服にもたいへんな力を入れる。「半導体国産化は、1960年代に毛沢東が必死に進めた原爆開発を彷彿とさせる力の入れ方だ」という評を聞いた。

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