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イラク訪問で形勢拡大を狙うローマ教皇の意図 すべての人が平和裏に共存する「エキュメニズム」がキーワードだ

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バチカン(ローマ教皇庁)が、中東外交で攻勢に出ている。フランシスコ教皇(法王)が3月5日から8日、イラク各地を訪問した。〈歴代教皇で初めてイラクを訪れているローマ教皇フランシスコは(3月)7日、過激派組織「イスラム国」(IS)が支配していた北部モスルで犠牲者に祈りをささげた。6日にはイラクのイスラム教シーア派の最高権威シスタニ師と会談しており、宗教間の融和の重要性を改めて訴えた。/教皇は6日、イラク中部のシーア派の聖地ナジャフにシスタニ師を訪ね「宗教間の協力と友情の重要性」を訴えた。シスタニ師の事務所の声明によると、同師は「すべてのイラク人と同じくキリスト教徒が安全かつ平和に暮らすべきだ」との考えを示した。/シスタニ師はイラク国民の多数を占めるシーア派に強い影響力を持つ。90歳の高齢で、公の場に姿を見せるのは珍しい。教皇は2019年、イスラム教スンニ派の最高権威機関アズハルの指導者と対話強化の覚書に署名している。シーア派とも関係を築き、イスラム教との融和を一段と進める姿勢を示した。/教皇は同日、キリスト、イスラム、ユダヤ3宗教の共通の祖とされるアブラハムの生誕地、南部ウルで各宗教の代表者と対話集会を開いた。クルド民族少数派でISに迫害されたヤジド教徒の代表も参加した〉(3月7日付「日本経済新聞」電子版)。

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