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動き出した「デジタル通貨」の本質 ポイント大国日本はデジタル通貨との親和性が高い

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中国の深圳で実施された「デジタル人民元」の実証実験の様子(Imaginechina/時事)

DXが浸透していく中で、2021年において無視できない動きがある。中央銀行デジタル通貨(CBDC)に代表される通貨のデジタル化だ。コロナ禍で非接触を促す流れもあり、議論が加速している。

仮想通貨の「ビットコイン」が2018年の高値を超えて300万円を突破するなど注目を浴びているが、通貨のデジタル化はブロックチェーン技術を使うもの、使わないものに分かれる。まず今回はブロックチェーン技術を使わないものに着目しよう。

貨幣そのものの歴史をたどると紀元前4300年ごろの銀を用いた貨幣までさかのぼるが、日本の場合、現在のように中央銀行である日本銀行が通貨を発行し始めたのは1885年であり、130年ほどの歴史しかまだない。これが今後100年でデジタル通貨に変わったとしても何の驚きもない。

日銀も21年度中にCBDCの実証実験を始める計画だが、中国ではすでに実験が始まり、今年中にも本格導入されるとの報道がある。中国の深圳市や蘇州市では実験結果が出始めており、例えばお年玉(紅包)を配るという形式で20年10月に抽選で選ばれた深圳市民5万人に1人当たり約3000円が支給され、消費率は9割を超えた。蘇州での実験ではネットに接続していない状態での取引も試され、今のところ大きな問題はないという。今年の春節前にも実験を行い、22年の北京冬季五輪に向けて加速したい考えだ。

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