日本の宗教で、政治、社会などへ最も強い影響を与えているのが創価学会だ。この宗教団体は、会員世帯数827万(公称)の巨大組織である。
創価学会を支持母体とする公明党は自民党と過去20年間、連立与党を組んでいる。2015年に安倍晋三首相(当時)が発表した戦後70年談話や集団的自衛権の部分的容認(山口那津男・公明党代表は内容的に個別的自衛権にすぎないと述べている)、消費税率の10%への引き上げにおける食料品などへの軽減税率の適用、コロナ禍での1人当たり10万円給付といった政策には、公明党が決定的に重要な役割を果たした。このような政策を公明党が取る背景には、創価学会の価値観がある。この価値観を理解せずに、日本の政治を分析することは不可能だ。
時々、「創価学会と公明党は政教分離原則に抵触するのではないか」と批判する論者がいるが、これは事実誤認だ。日本国憲法が定める政教分離は、国家が特定の宗教を優遇したり忌避したりすることを禁止している。対して、宗教団体が自らの意思で政治活動をすることは禁止していない。
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