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経営統合の「効果」と「限界」 合併地銀の事例に学ぶ

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本当に必要なのはビジネスモデルの変革だ。

同一地域の地銀が合併したきらぼし銀行。その分、統合効果も大きい

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「本格的に効果が出るには時間がかかる。それまでは苦労することばかりだったよ」

ある地方銀行の幹部はそう振り返る。

この地銀は、隣接する地域で経営不振にあえいでいた地銀を合併によって経営統合。かつてのライバルを内部に取り込んだ。

当時、経営企画部にいたこの幹部の元には、システム統合や店舗統廃合など、次々に難題が舞い込んできたという。

最も効率がいいのは、システムを早期に統合し、店舗も極力減らすこと。しかし、地域から逃げられない地銀である以上、顧客に迷惑はかけられない。

これから一緒に働く元ライバル行員の目も気になる。最適解を求めて、頭を悩ませる日々が続いた。

中でも苦しかったのは、余剰人員の整理だ。

両行は営業エリアが重なっていたこともあり、余剰人員はかなりの数に上った。「取引先に片っ端から当たって仕事を紹介してもらった」(幹部)ことで、何とか全員の出向先を確保できたという。

この幹部は「再編に関する議論で、経営統合や合併などと簡単に言うが、言うは易く行うはかたしだ」と締めくくった。

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