他業界に先駆けてユーチューブの活用を進めてきたのが音楽業界だ。自社アーティストの楽曲の認知を広げるための場として、ユーチューブ黎明期から多くの事務所がミュージックビデオ(MV)やプロモーションビデオ(PV)を公開してきた。
中でも、事務所として最多のチャンネル登録者数を持つのがエイベックスだ。545万人という規模は日本の累計登録者数でも9位につけ、存在感を放つ。
エイベックス・エンタテインメントでユーチューブを管轄する丹雅彦氏は、「当初はPR手段という側面が強かったが、今はファン深耕や新人発掘の場として役割が拡大した」と話す。近年はユーチューブで自身の楽曲を発信する人も多い。エイベックスはそこでスターの原石を見つけ、実際にレーベル契約に至ったケースもある。
基本無料のユーチューブで音楽を聴けてしまうと、CDやサブスクリプションサービスの売り上げが落ちる懸念もある。だが丹氏は「会社がオフィシャルの音源をきちんと置き、UGC(「歌ってみた」などユーザーが既存の楽曲を使って制作するコンテンツ)にも向き合えば、回り回って本業にプラスになると証明できている」と、得られる効果に重点を置く。
注目の「一発撮り」動画
ユーチューブの拡大は、音楽業界で新しいコンテンツの登場も促している。とくに注目を集めるのは、ソニー・ミュージックエンタテインメントなどが運営する「THE FIRST TAKE」だ。同チャンネルの特徴は「一発撮り」。歌唱直後に涙を浮かべ楽曲への思いを語るなど、きれいに編集された姿とは違う人気アーティストの一面が映し出される。
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