お堅そうな役所でも「ここまでできる」ことを見せつけているのが、農林水産省のユーチューブチャンネル「BUZZ MAFF(ばずまふ)」だ。

毎日のように配信される動画は、日本の農林水産物のよさや農水省の政策を周知する内容だが、その手法は斬新だ。新型コロナウイルスの影響で需要が低下した花の消費を喚起する動画では、まじめに語る職員の周辺を色とりどりの花が覆いつくしていく演出が話題になった。牛に扮した職員が乳製品の消費を促す動画は、家庭での牛乳消費量を一定期間、前年比で約2割増加させる効果も生んだ。
そのほかにも、大臣会見を地方出身の職員が方言でアフレコしたり、生産者向け制度を自作のラップで解説したりと、一般消費者でも笑って楽しめる動画がそろう。
ばずまふ開始のきっかけは約1年前、就任直後の江藤拓・前農水相の「一声」だった。「今(当時)の省の発信では一般にはおろか、必要な人にも情報が届いていない、ホームページに文書を掲載するだけでなく、もっと現代的な手法を試すべきでは、と提案された」(農水省の安川徹広報室長)。その際、「このユーチューバーみたいなことはできないか」など、具体的な参考事例も次々示されたという。
農水省職員の側にも同じ問題意識は以前からあり、江藤氏の提案は渡りに船だった。加えて、「出された参考事例がどれも攻めた表現のもので、それなら思い切りはじけられると思った」(安川氏)。
15チームで運用する利点
チャンネル運営は現状、全国の職員から希望者を募り、広報室が選抜した15チーム(追加や入れ替えもあり)で行っている。選抜では動画編集・配信の経験の有無を問わず、各人の趣味やスキルを生かせる企画案であるかを重視。職員の人柄を前面に出すことで、視聴者に親近感を持ってもらう狙いがあるためだ。
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