分断化するアメリカ社会を示すかのように大接戦となった大統領選挙。
今後の経済や外交政策はどうなるのか。超大国の行方を分析してく。
現地時間の11月3日に投開票されたアメリカ大統領選は異例の激戦となっており、日本時間の5日夜になっても開票作業は続いている。
中西部などの接戦州では開票が遅れた郵便投票の集計が進むにつれ、いったんは劣勢が伝えられた民主党ジョー・バイデン前副大統領が盛り返し、勝利に必要な過半数の選挙人(270)獲得に近づいている。
ただ、共和党の現職、ドナルド・トランプ大統領は現地時間の11月4日未明、勝敗未定の段階で「大きな勝利だ」とツイート。演説でも「率直に言って勝った」と宣言し、開票中止を要求した。トランプ大統領は法廷闘争を辞さない構えで、まだまだ波乱含みだ。
以下では、アメリカにおける大統領選挙や行政の仕組みの解説を交えて、今後のポイントを挙げていく。
ポイント① 勝敗を左右する「接戦州」
アメリカの大統領選挙は4年に一度行われる。各党が予備選挙で候補者を1人に絞り込み、夏の党全国大会で正式に指名された候補者が本選挙に向けテレビ討論会などで争う。事実上、民主・共和両党候補の一騎打ちだ。
11月の投票日には、18歳以上の登録済み有権者が各党候補に投票(一般投票)し、各州で最も多い票を集めた候補がその州に割り当てられた「選挙人」をすべて獲得する「勝者総取り」方式を取る(2州を除く)。全米の選挙人538人の過半数270人以上を獲得した候補が当選となる。
獲得選挙人数が269人で同数の場合や、各候補とも過半数を得られない場合、大統領は下院が、副大統領は上院が投票で選ぶ。
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