米アップルのウェアラブルデバイスである「アップルウォッチ」は、健康状態を測るヘルスケア機能を年々強化している。今年9月に発表された新製品には、血液中の酸素濃度を測るセンサーを搭載した。新型コロナウイルス患者の容態を診るためにも使われている指標だ。呼吸器と心臓が正常に機能しているかがわかる。
それと同時に発表されたのが、月額課金の新たな運動プログラム「フィットネス+」だ。アップルウォッチを着けて運動すれば、心拍数などの健康情報が読み取られ、効果を実感することができる。
これらは単なる新機能や新サービスではない。アップルがヘルスケアへの取り組みの先にもくろむのが、保険分野への進出だろう。
保険はある意味、情報の非対称性によって成り立っている。これまでは年齢別死亡率に基づく生命表などのマクロデータを用いて、アクチュアリーと呼ばれる数学の専門家が保険料を算出してきた。この場合、ある時点の固定されたデータを基に将来の病気になるリスクを計算する。それでも、保険会社が新規加入者の健康状態を正確に把握するのは困難だ。だから予測より健康状態が悪くても損が出ないよう、多めに保険料を課すことになる。
この記事は有料会員限定です。
東洋経済オンライン有料会員にご登録頂くと、週刊東洋経済のバックナンバーやオリジナル記事などが読み放題でご利用頂けます。
- 週刊東洋経済のバックナンバー(PDF版)約1,000冊が読み放題
- 東洋経済のオリジナル記事1,000本以上が読み放題
- おすすめ情報をメルマガでお届け
- 限定セミナーにご招待
無料会員登録はこちら
ログインはこちら