先月の加盟国政府間の骨の折れる交渉の後、EUの指導者たちは、新型コロナウイルス感染症(COVID-19)による危機で大きな打撃を受けたEU諸国のための、7,500億ユーロ(8,860億ドル)の救済措置に関する合意に至ったことで祝宴を挙げている。
しかし、シャンパンを開けるのは時期尚早であろう。「次世代のEU」復興基金計画には、その効果を失うだけでなく、ユーロ圏の存在そのものを脅かす2つの大きな弱点がある。
復興基金は規模が小さすぎる
小さすぎることに加えて、次世代のEUファンドには、秩序ある国家債務再編メカニズム(SDRM)など、財政の持続可能性に不可欠な条件が欠けているのだ。復興基金を構成する3,900億ユーロの補助金は、EU27ヵ国の2019年のGDPのたった2.8%にすぎない。そして、この3,600億ユーロの補助金に、「緊急時失業リスク緩和支援(SURE)」プログラムを通じた1,000億ユーロの融資を加えても、合計はGDPのわずか6.1%に過ぎない。
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