3月以来、私は経済がV字回復する可能性について比較的前向きな見方を示してきた。コロナ不況の規模は一見して大きく、楽観論を開陳するたびに手厳しい批判にさらされている。しかし、それでも代表的な先行・一致指標の多くは、V字回復の方向性を指し示しているのだ。
ゴールドマン・サックスでチーフエコノミストを務めていた頃、私はある指数の開発に関わった。「グローバル先行指数(GLI)」と呼ばれるもので、経済協力開発機構(OECD)の景気先行指数と同等の正確性を保ちながらも、これを先回りするよう設計したものだ。金融市場の予測にも一段と適した指数になっている。
7年前に金融業界を離れた後も、GLIを構成する公表データは毎月ウォッチし続けている。米製造業購買担当者景気指数(PMI)、在庫・新規受注バランス、米新規失業保険申請件数の週次データ、ベルギーの企業景況感指数、韓国の輸出額などだ。他国のPMIやドイツのIfo企業景況感指数から、さらなる手がかりが得られることもある。とりわけ重要なのは、同様の指標が中国についても入手可能になっている点だ。中国の数字は信用できないという声もあるが、実はそこまで信頼性に欠けるわけではない。
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