高い生産性に十分な休養、働きやすさの追求を最優先
──働いた後は頭を切り替え、プライベートの時間はそれぞれの目的のため大事に使う、というのがフィンランド人のスタイルですね。
発端は1996年の法律で、個々が柔軟に働けるよう大きく舵を切りました。今年1月さらに改正され、就労時間の最低半分は働く場所・時間を従業員が自由に決め、残業時間の休日振り替え幅も拡大された。でも、すでに自由な働き方はできていたので、国民の反応は「ふーん、そう」程度。
──なぜそれほど政府は積極的?
生産性を高めるためには、より心地よく働ける環境整備が必須だから。自国のワーキングカルチャーを欧州1位にとどまらず、世界1位にしたい。その魅力で外から才能ある人・有能な人を呼び込みたいし、もちろん自国民の生産性も高めていきたい。今回はまだ浸透しきれていない層にリーチすべく、改正したという感じでしょう。
国の研究機関が「組織のあり方は場所や集団よりも、“個”により焦点を当てたものになっていく」と報告しています。人口550万人の小国が世界でやっていくには、一人ひとりに能力を最大限発揮してもらわないといけない。そのための柔軟な働き方であり、個々の能力をどう発揮させるかなんです。在宅勤務は週1度以上の人が3割、ホワイトカラーの管理職に限れば6割に達しています。
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