WHOは中立たりえない、優先されるのは目的の達成 東京都立大学 教授 詫摩佳代氏に聞く

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たくま・かよ 1981年生まれ。2005年、東京大学法学部第3類卒業、10年、東京大学大学院総合文化研究科国際社会科学専攻国際関係論博士課程修了。博士(学術)。15年に首都大学東京法学政治学研究科准教授、20年から現職。著書に『国際政治のなかの国際保健事業』(安田佳代名義)。
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新型コロナウイルスへの対応で、中国寄りと批判されるWHO(世界保健機関)。テドロス事務局長の辞任を要求する署名は100万筆を超えた。しかし、その批判は当を得たものなのか。

──そもそも中立は無理?

WHOは「すべての人民が可能な限り最高の健康水準に到達する」ことを目的とした組織です。本来、目的の達成には国家、人種、性別などは無関係。しかし、主権国家で構成される国際社会の中の国際機関なので、加盟国の政治から自由になれない。米中など影響力の強い国の意向を尊重しないと活動できないという現実があります。これはすべての国際機関に当てはまり、国連も例外ではない。

国際機関に求められるのは、国際政治の影響を受けつつも時にそれを利用して目標を達成すること。全体的にWHOは、案件ごとに大国の支援を引き出し、疾病に弱い国々の対応能力を向上させてきたと思う。今の批判を見ると、政治とは一線を画して中立的に活動すべきだというWHO観を多くの人々が持っているようですが、中立にはなりえない。

──今回は対応を間違った。

SARSの経験から、中国を批判するよりも仲良くして意思疎通を図るという手法が間違っていたとは思わない。ただ、米国への配慮が足りなかった。公衆衛生上の緊急事態宣言を見送ったのは、忖度(そんたく)と見なされても仕方ない。WHOを米中の政争の場にしない気配りが国際機関のリーダーには必要でした。

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