最悪、介護で人生“消滅" 、「毒親」捨てるか関わるか ジャーナリスト 石川結貴氏に聞く

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いしかわ・ゆうき 家族・教育問題、青少年のネット利用、児童虐待などを取材。これらのテーマのコメンテーターとしてのテレビ出演、講演など幅広く活動。義母を11年間介護、現在は実父を遠距離介護中。著書に『スマホ廃人』『ルポ 居所不明児童』『ルポ 子どもの無縁社会』など。(撮影:今井康一)
介護だけでも大変なのに、その対象がかつて自分を物理的、精神的に虐待した親=毒親だとしたら。どんなに嫌でも介護せざるをえない状況はありうる。また、介護によって、実は毒親だったと気がつくこともある。

──避けたい組み合わせですね。

家族の問題を追ってきて、虐待、過干渉などで親に傷つけられたり、振り回されたりした人を多く取材しました。そうした人の心の傷はなかなか癒えない。親から離れて暮らしていても、親が高齢になって病気で倒れたり、認知症気味になったり、経済的に困窮したりすると、向き合わざるをえなくなる。再び親と関わることになり「苦しい」「困った」という声が、10年くらい前から聞こえてきました。

──毒親の介護を避けられない。

施設に入れて他人にお任せ、と思っても施設が足りない。特別養護老人ホームへの入所待機者は全国で36万人超、1施設当たりの平均待機者数は117人です。介護人員は現在でも不足気味なのに、団塊世代が後期高齢者になる2025年には介護職員が37.7万人不足するという推計もあります。社会保障費抑制のため、国は施設の新設、拡充には消極的で、「在宅介護」を推進しています。毒親でなくても、民間の施設に入れての「他人介護」は、親か子供がまとまった資産を持っていないと難しい。

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