──受容には個人差がある?
寝たきりで言葉ができるかどうかといった重度心身障害児の場合、親が病院に寄り付かない「院内捨て子」になることが今でもまれにあります。が、同じような子でも生まれた瞬間に受容できる親もいる。また、5年、10年と時間をかけて受容する例もあります。3歩進んで2歩下がったり、突然振り出しに戻ったり。それが受容です。
──「仮の受容」と書いています。
経験的に多くの母親は障害のあるわが子の存在を最初から受け止めます。が、「なんでこの病気、この障害に」という点では納得できないことが多い。納得できたと思っても、また涙がはらはらと落ちてくる。真の受容は親が生涯を通じて成し遂げるものかもしれません。
人生経験も影響します。50年も生きていれば、人生は困難の連続で、それを乗り越えてこそ幸せになれると知っています。こう考えられれば、障害児を授かることは人生における多くの困難の1つですが、20〜30代の親は人生の終わりみたいに感じてしまう。
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