低価格ファッションブランドの間で明暗が分かれつつある。「フォーエバー21」が経営破綻した一方、勢いを増すユニクロは、首位を独走するZARAとの決戦に挑む。
「ラストチャンス! 店内全商品が50円!」──。
10月31日、ファストファッション大手「フォーエバー21」の東京・渋谷の店舗は、異様な熱気に包まれていた。
米国本社の経営破綻を受け、同日をもって日本から撤退することになったため、各店舗では衣服やアクセサリーが、ただ同然で投げ売りされた。旗艦店の1つである渋谷店にも、顧客が殺到。さばききれない顧客の数に店員もお手上げだったのか、床に散らばった商品を誰も整頓しようとしない。混乱のまま、予定より早い正午すぎに店はシャッターを下ろした。
韓国系米国人のドン・チャン氏が1984年に創業したフォーエバー21。「100ドルで全身コーディネートができる」とうたい、低価格のトレンド商品を売りにして2000年代に躍進した。09年に日本へ上陸した際は、「黒船の襲来」と注目された。
だが、勢いは長く続かなかった。フォーエバー21の日本上陸に携わったリテールビジネス研究所・飯嶋薫代表は「12~13年ごろにチャン氏の娘たちが商品施策を担うようになって以降、商品構成をレディースに特化させすぎてしまい、ファミリー世代などに顧客層を拡大できなかった」と指摘する。
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