「シェアリングエコノミーは今歴史的岐路に立っている」 インタビュー/米NYU Stern教授 アルン・スンドララジャン
世界で旋風を巻き起こした「シェアリングエコノミー」が今、岐路に立たされている。米国屈指のオピニオンリーダーが現状を語る。
──著書『シェアリングエコノミー』を出版してから、3年が経ちました。この間、新たな経済圏を担うプレーヤーはどのように変化してきましたか。
消費者の視点からいえば、シェアリングエコノミーが持つ可能性の大半が、交通と宿泊の分野で示された。交通分野でいうとウーバーは、今やそれが出現する以前の世界のタクシー業界よりも多くの収入を毎年稼ぎ出している。宿泊分野でもエアビーアンドビーは、世界のトップ5のホテルを合わせた数よりも多い客室在庫を抱え、1晩の宿泊者数は米ヒルトン、マリオット両グループの合計よりも多い。すでに業界のリーダーだ。
一方で、予想していなかったような業界で活発な動きがあった。例えば飲食業だ。(飲食店から料理を宅配するウーバーイーツなどの)サービスが進化した結果、宅配料理を専門とする、店舗を持たない飲食店の形も生まれた。
──どの産業でもシェアリングエコノミーが主流になりますか。
シェアリングエコノミーは、今後20年間は成長を続ける。ただ産業構造を丸ごと入れ替えることにはならないだろう。伝統的なものとシェアリングエコノミーの経済モデルは共存する。最も先進的な国々においては、この共存により、GDP(国内総生産)の健全な2桁成長が実現するだろう。
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