アルン・スンドララジャン氏に聞く 『シェアリングエコノミー』を書いた

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個人の遊休資産などの交換・共有によって成り立つ経済、シェアリングエコノミーが欧米を中心に急速に拡大している。市場規模は日本でも2025年に10兆円を超えると推計されるほどだ。シェアリングエコノミーの第一人者に、その可能性について聞いた。

個人の信用に基づく経済が生まれている

シェアリングエコノミー
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──シェアリングエコノミー自体はそれほど目新しいものではない、と述べていますね。

企業が経済の中心にあった時代は人類の歴史から見ればごく短期間だ。企業という概念が存在しない時代、取引・商売・雇用の形態は個人の信用に基づいていた。シェアリングエコノミーは人々の経済にかかわる活動を、そうした昔の姿に戻しているにすぎない。

実際に、20世紀初頭の米国では賃金労働者のほぼ半数が自営業者だったが、1960年には15%未満にまで減っている。これは個人経営が多かった農業から別の職業に転じる動きが広がったことに加え、大企業が米国の経済を支配することになったという要因が大きい。しかし今はテクノロジーの進化によって、商業価値の源泉が再び企業から一般大衆、クラウドへ移行している。そのため私はシェアリングエコノミーが生み出す現象を「クラウドベース資本主義」と呼んでいる。これからは大企業のような中央集権的組織よりも、大衆のネットワークが力を持つ。およそ100年を経て、クラウドベース資本主義が個人の信用に基づく経済活動の世界を構築している。

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