同じビーチリゾートでも、「青い空」の事情は大きく異なる。
「ウミガメだ!」。6月下旬、成田国際空港の搭乗ゲートの一角で、子どもたちが歓声を上げていた。窓ガラス越しに見えるのは、これからハワイに向けて飛び立つ、特別なウミガメ塗装を施された欧エアバス製旅客機「A380型機」の姿だ。
今、日本とハワイを結ぶ空に異変が起きている。航空大手の全日本空輸(ANA)が5月24日、2階建てで520席を誇るA380を成田─ホノルル路線に導入し、攻勢をかけているのだ。
これまでANAは同路線を246席の米ボーイング製中型機「B787型機」で、週14便運航してきた。5月から段階的にA380への置き換えを進め、7月時点で同機で週10便を運航するまでになった。これにより日本─ハワイ路線(ハワイ線)の座席提供数シェアは13.2%から20.7%まで拡大。米デルタ航空を抜き、3位に躍り出た。提供座席数に対し、「予約数も同じ伸び」(ANA)と順調な滑り出しとなっている。
近年、ANAは、ビジネス客などの安定需要が見込まれ座席単価も高い北米や欧州方面を中心に国際線を増やし、2010年に経営破綻し路線網を縮小した日本航空(JAL)を追い抜き、国内最大手になっている。ハワイ線はレジャー路線ながらも、年間を通じて座席利用率が90%を上回るなど、需要が旺盛だ。しかもハワイ線は直行便で7~8時間程度を要する中距離路線のため、短距離・高頻度運航で収益を上げるLCC(格安航空会社)では参入が難しい。
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