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統計不正の根源は現場軽視にあり 中央省庁再編以降、調査業務の人員が激減

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「アベノミクス偽装」を標語に統計不正を追及する野党。だが、統計業務の現場から見えてくるのは別の姿だ。

衆院予算委員会で毎月勤労統計の不正問題について答弁する根本匠・厚生労働相(日刊現代/アフロ)

企業のある業務で問題が起きたとき、その業務プロセスを把握していなければ、原因特定や改善を正しく行うのは難しい。そんなことは常識だろう。

目下、国会審議で白熱する毎月勤労統計の不正問題解明では、この基本的な姿勢に立ち戻ることが重要だ。なぜなら、それだけ統計業務というものが一般の人々にとってなじみの薄いものであり、イメージだけで議論されることが多いからだ。

公的統計業務のプロセスは国民からデータを集める調査業務と、統計表作成に直結する加工・推計の2つに大きく分けられる。後者は高度な統計解析を駆使する花形だが、前者は地味だ。ところが、より人的リソースを必要とするのは、圧倒的に前者の調査業務である。

例えば、GDP(国内総生産)統計を扱う内閣府の統計職員は約90人。これに対し、厚生労働省や経済産業省はそれぞれ約240人の同職員を抱える。

こうした人員数の差がなぜ生じるかといえば、厚労省や経産省は調査業務を主体とするのに対し、内閣府はそれら各省の統計を原データとして加工・推計を行うだけだからだ。

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