「外商投資法」の成立で米中貿易摩擦の幕引きを図る中国。だが、これは経済冷戦の始まりにすぎない。日本はどう対応すべきか。

首脳会談の手土産として、習近平主席は「外商投資法」成立を急いだ(写真は3月5日の全人代開幕式)(ロイター/ アフロ)
3月5日から、北京の人民大会堂で中国の国会に相当する全国人民代表大会(全人代)が開かれている。今年の重要テーマの1つが、最終日の3月15日に採決される新法「外商投資法」である。
昨年の全人代では習近平国家主席の任期撤廃という大きなトピックがあった。これを機に、米国をはじめとする西側主要国の中国への見方が一気に厳しくなったのは記憶に新しい。米中貿易摩擦の激化に向けて、最後の一押しとなった。
外商投資法は、いわばそこからの軌道修正を図るための道具立ての1つだ。昨年12月下旬に、中国への技術移転を外国企業に強制することの禁止や本国への送金の自由化などを盛り込んだ草案が発表された。日米欧の在華企業などからの意見聴取を経て、3カ月足らずで法案を採決するという急ぎ方だ。現地メディアも「建国以来の70年で最短記録ではないか」と評しているが、この法律を3月下旬に予定される米中首脳会談の手土産にするためだと思えば合点がいく。
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