米中対立の最中、鴻海・郭台銘が見る「機」 「工場計画は続行」の虚実
アメリカと中国の貿易やハイテク覇権をめぐる対立は、激化する一方だ。日本を含む世界中の企業にとって米中はどちらも、開発・生産拠点や市場として重要になっている。両国の対立で「どちらを取るか」を求められることは、企業の存亡をかけた選択を迫られるに等しい。そんな局面が訪れそうな不穏な空気の中、動向が注視されているのが電子機器受託製造サービス(EMS)の世界最大手、台湾・鴻海精密工業(フォックスコン)だ。
鴻海は2月2日、見直しが伝えられていたアメリカ・ウィスコンシン州での液晶パネル工場建設について、計画を続行する趣旨の声明を発表した。郭台銘(テリー・ゴウ)董事長は同日台北で開いた自社イベントで、前日にトランプ米大統領から直接電話を受け、この問題を話し合ったことを明らかにしている。
だが1.3万人を雇用するという当初計画がそもそも、液晶工場の人員規模として現実的ではなかった。鴻海の業績も悪化する中、続行とはいえ実際にはさらなる計画変更の余地があるだろう。鴻海は現地で液晶の生産以外に先端技術の研究開発も行い、「投資範囲を拡大する」としているが、政策として最も重要な雇用規模については具体的に触れていない。
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