海外で広がる「和牛肉」消費 主役は米国・豪州産のなぜ? 排除の論理で世界戦略を描くと道を誤る
海外で活況を呈する「WAGYU」ビジネス。その最前線を追った。
テキサス州フォートワースは米国有数の畜産の町だ。今も市内にはカウボーイの名残があちこちにある。そのフォートワースで最高級のステーキハウスの1つが「B&B」。ニューヨーク出身のベンジャミン・バーグさんが1年前に開業した。
昨年10月、畜産コンサルタントでNHKラジオで毎週「全国食べ物うまいもの」コーナーを担当する山本謙治(やまけん)さんと一緒に同店を訪れた。まずはメニューの中でいちばん高価で、日本から定期的に取り寄せているという神戸牛のステーキをいただいた。
断面に細かなさし(脂肪交雑)が広がった神戸牛の肉は、口の中でとろけるような別格の味だ。さすが和牛の最高峰。やまけんと顔を見合わせ、「これはうまい」とうなずき合った。仕入れてからドライエージングと呼ばれる熟成処理を施しているため、日本で食べるよりもさらに芳醇な味だった。
続いてテーブルに運ばれたのが、「WAGYU」のステーキだ。発音は「わぎゅう」だが、厳密には「和牛」ではなく、あくまで「WAGYU」。日本由来の和牛遺伝子を持つ海外で飼育された牛で、このステーキ店では地元フォートワースの牧場で飼育されたWAGYUの肉を提供している。
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