メディアが体にいいと取り上げるたびに、いろんな食品が店の棚から消える日本。嗜好品の摂取を控えるのはもちろん、マイクロ波を避けるために電子レンジを使わない人もいる。「そういうことよりも重要なのは心の健康」。人生経験、話術、漢方薬で患者の心を元気にする、イグ・ノーベル賞受賞医師による健康論。
──「メメント・モリ(死を思え)」と言われている感じです。
ベースにあるのは、「どうせ人は死ぬから、それまで楽しく生きればいい」。それが長生きとトレードオフになるのはおかしいので、運動でも酒でもリスクを知って対処すればいいと思っています。
──患者に「死ねば治る!」(笑)。昔からそうだったんですか。
外科医だった頃は、一日でも長生きさせるのが仕事だと思っていた。きっかけはセカンドオピニオン。1998年に英国留学から帰ると、日本はセカンドオピニオンなんてとんでもないって雰囲気。ゼロからつくるのが好きなので、喜んでやらせてもらいました(笑)。全国から病気の治らない方が来て、話を1時間聞く。「こんなことで悩んでいるんだ」というのが集積されて今に至っています。10人中9人は適切な治療を受けているのに、本人は不安。「正しいんだよ」と言ってあげるだけで、不安がなくなって、医療が正常化していく。
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