その年、どのような1年を送るのか。1月にラスベガスで行われるCESでの発表は、その年の「所信表明演説」という側面も持つ。
それだけに2018年4月にCEO(最高経営責任者)に就任してはじめてのCESを迎えるソニーの新リーダーである吉田憲一郎氏には注目が集まった。しかし、今の時点でも「自分にとってのソニー」を探す旅の途中にあることを感じさせるものだった。
いったい、どういうことか。筆者の印象だが、ビジョンから実際の製品への動線が見えなかった。エレクトロニクス製品の企業としての成長軸が見えてこないのだ。
むろんソニーがCES、あるいはCES直後に明らかにした新製品や技術は、注目に値するものも多い。たとえば、85インチと98インチを用意した8K解像度の液晶テレビ「BRAVIA Z9G」シリーズは、他ライバルを圧倒する出来栄えだった。
また、新たにライブネーションや音楽配信サービス事業者とも提携して年内の事業開始を見据える「360 Reality Audio」も、その圧倒的な迫力とヘッドフォンでも同様に楽しめる新技術に感心する声は大きい。まったく新しいオーディオの楽しみ方を創出し、市場を広げていく意図も見える。
この記事は会員限定です。登録すると続きをお読み頂けます。
東洋経済ID 会員特典
東洋経済IDにご登録いただくと、無料会員限定記事を閲覧できるほか、記事のブックマークや著者フォロー機能、キャンペーン応募などの会員限定機能や特典をご利用いただけます。
東洋経済IDについての詳細はこちら
無料会員登録はこちら
ログインはこちら