ユニコーン企業が日本で生まれない理由 日本で「ユニコーン」と呼べるのは2社だけ
創業10年以内でその評価額が10億ドル以上、かつ株式非上場のテクノロジー企業をユニコーン企業と呼ぶ。ユニコーン(一角獣)に例えられるのはめったに遭遇しないからだ。
米調査会社CBインサイツによれば、米国には121社、中国には76社(2018年8月時点)。ユニコーン企業が米中に集中しているのはなぜか。ユニコーン予備軍である、機械学習の自動化ソフト開発会社・米データロボットのCEO(最高経営責任者)でデータサイエンティストのジェレミー・アシン氏に聞いた。
──日本のユニコーン企業はどこですか。
AI(人工知能)開発会社のプリファードネットワークスだ。
──18年に上場したメルカリを入れても、日本ではユニコーンと呼べるのは2社だけです。中国からユニコーン企業が続出しているのはなぜでしょう。
中国ユニコーンのビジネスモデルは米国ベンチャーのコピーにすぎない。が、自国市場が大きく、中国内の投資資金も潤沢なのでユニコーン化しているといえる。
──日本からユニコーン企業がめったに生まれない理由は。
第一に、ベンチャーキャピタルの数も規模も小さいこと。大きなビジネスを立ち上げるには大きな資金が必要だが、日本では資金が集まりにくい。第二に、日本市場が言葉や文化の違いにより世界から隔絶している。日本市場向けに製品やサービスを開発しても、市場規模が小さいために日本向けだけではユニコーンになりにくい。第三に、学生の安定志向。日本の優秀な学生は起業するのではなく、名の知れた大企業に就職しがちだ。
──日本にベンチャーキャピタルが少ないのではなく、米中にとりわけ多いということでは?
米中に多いのは事実だが、日本で不十分だというのも事実だ。
──日本は大企業の中にユニコーンがいるという見方があります。
トヨタ自動車やパナソニックのグループの中に隠れたユニコーンが存在するだろう。だが企業内ベンチャーには限界がある。
──限界とは?
世界はいま激変している。あらゆる業界で破壊的な変化が起きている。破壊的な変化を起こすほどでないとユニコーンになれない。大企業発のベンチャーが破壊的な変化を起こすのは難しい。出身母体の大企業が望まないからだ。
──国や地方公共団体など官主導によるベンチャー育成は成功しますか。
官主導ではイノベーションは起こせない。米国では第二のシリコンバレーを目指してサンアントニオ市やボストン市などの自治体がベンチャー育成に乗り出しているが、うまくいっていない。
──GAFA(ガーファ)(グーグル、アップル、フェイスブック、アマゾン)を超えるユニコーンは今後出てきますか。
米ウーバー・テクノロジーズがその最有力候補だ。ネクストGAFAは、企業のDNAにAIが組み込まれているユニコーンに違いない。
(聞き手・本誌:山田雄一郎)






















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