さまざまなリスクが待ち受ける2019年のトランプ大統領。自身の直感のみに頼るトランプ流に、米国と世界の混迷はさらに深まりそうだ。
2019年の米国はどうなるのか? 現時点でわかるのは、トランプ大統領の独断がますます強まり政権の混迷が深まることだ。そして米国の求心力がさらに低下し、世界の秩序も損なわれていくだろう。
昨年12月8日、トランプ大統領はジョン・ケリー首席補佐官が退任すると発表した。海兵隊出身のケリー氏は17年7月の就任以来、ホワイトハウスと大統領の管理に一定の成果をもたらした人物だ。しかし18年2月ごろからトランプ氏の信頼を失い、大統領の行動を制御できなくなった。
以来トランプ大統領は、ケリー氏のような正規のアドバイザーの意見はほとんど聞かず、自身の直感に頼る政策を進めた。自身の直感を否定する人物の話よりは、持ち上げる人物の話しか聞かなくなった。その結果が、中国だけでなく日欧などに対する保護主義やイランとの包括的核合意からの離脱、北朝鮮への指針なき接近などで、米国が築き上げた信頼と世界秩序を自ら崩壊させる政策だった。
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