総合商社で5位のポジションが定着している丸紅。かつては三菱商事、三井物産と並び「スリーエム」と称される実力を誇った時代もあった。だが、1990年代に積み上がった不良資産の処理が遅れたことから、収益力でも財務でも上位商社に大きく水をあけられてしまった。
もともと弱かった財務基盤に追い打ちをかけたのが、2012年に行った米国の穀物大手ガビロンの買収だ。36億ドルもの巨額投資を行ったが、見込んでいた自社穀物事業との相乗効果も振るわず、430億円もの減損損失を出すことになった。
丸紅は中期経営計画で、ネット有利子負債倍率を1.04倍(17年度末)から20年度末に0.8倍程度に改善する目標を掲げている。当初は16年度から18年度までに1兆円の新規投融資を行うとしていたが、財務基盤の強化を最優先するために、17年5月にその金額を4000億~5000億円に引き下げた。
國分文也社長は「うちは財務的にも劣後していることは明らか。いまだにハイレバレッジだと世間で思われている。(財務改善の取り組みについて)手を緩めるつもりはない」と語る。そのため、上位グループに比べ「攻め」の投資をしにくいという事情がある。
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