スマホ決済、「後発ヤフー」が勝ち抜く具体策 第3回 グループ企業の営業力と技術を結集し大攻勢

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川邊健太郎社長が「重要度が高い」と強調するのがスマホ決済だ。この事業について、川邊氏は「もう1つヤフーを作る」と発言していたが、その真意はどこにあるのか(撮影:今井康一)

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ヤフーは今年度から始まった新経営体制で、国内ナンバーワンを目指す「3つの注力分野」を掲げている。それが「ネット広告」「EC(ネット通販)」「スマホ決済」。年間300億円に上る追加費用も投入し、今年度の営業利益は前期比で20%以上のマイナスに沈む見通しだ。

川邊健太郎社長へのロングインタビュー、第3回ではこの3領域に焦点を当てる。中でも川邊社長自身が「特に重要性が高い」と語るスマホ決済は競合がひしめく市場だ。ソフトバンクとの合弁で10月に投入したスマホ決済サービス「PayPay(ペイペイ)」は、何を強みに戦っていくのか。また、前体制からの継続課題であるEC、同社の圧倒的収益柱であるネット広告では、どんな未来を描くのか。じっくり聞いた。

利用者と加盟店のストレスをどれだけ下げられるか

──スマホ決済は「ヤフーがユーザーのリアルの生活に入り込む最初の入り口となる」と話しています。具体的にはどういうイメージでしょうか?

生活の中のいろいろな活動を考えたときに、リアルよりネットで行う頻度が高まっている活動というのがけっこうあると思う。たとえばニュースを見る、調べ物をするとかは、もう完全にネットで行うのが主流になった。一方で、おそらく今後もリアルのほうがメインであり続けるだろうなという活動もある。その筆頭が、何か支払うということ。これはよほどのことがない限り、リアルとネットが逆転することはなさそう。でも、リアルの支払いを便利にできるソリューションはネットの側にいっぱいある。そういう意味でも、ヤフーが決済に踏み込むのは重要なことだ。

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