自分や同僚は、今の働き方に満足しているのか。これから先、どんな働き方をしたいのか。パフォーマンスを最大化できる働き方とは──。政府主導の「働き方改革」の大号令がかかる今、時代に合った新しい人事制度・施策について、悩みを深める企業は少なくないだろう。
この課題に長年、独自のアプローチで取り組んできたのが米グーグルだ。同社は「科学」や「データ」を用いて社内の人事施策、働き方を見直すため、2006年から専門人材を採用し、「ピープルアナリティクス」のチームを発足。採用、チーム作り、マネジメントなど、人事に関するあらゆる業務、プログラム、プロセスの有効性を検証・改善してきた。
グーグルが蓄積してきたノウハウは、社外にも広く公開している。8月には、データ分析を基に考えられた人事施策についてまとめた情報サイト「re:Work」の日本語版を公開。また、同社が日本で30社以上のパートナー企業と取り組んだ働き方改革の取り組み「Womenwill」の成果についても別サイトで公開しており、仕事のムダを省く方法、働く時間を短縮する方法など、具体的なケースとともに掲載している。
グーグルの取り組みから、日本企業は何を学べるのか。働き方の再構築に、科学とデータをどう活用すればいいのか。グーグル・ピープルアナリティクスのシニアマネジャーで、社内研究開発ラボ 「ピープル・イノベーション・ラボ」 を統括するキャスリン・ディカス氏に話を聞いた。
第1回は、組織論の博士号を持つキャスリン氏の素顔とグーグル・ピープルアナリティクスの成り立ちを紹介。次回以降はグーグルで実際に行われた人事施策の検証・改善のケースから、グーグル社員が大事にしている4つの文化、日本企業が「働き方改革」で見失ってはいけないポイントまで、全3回でお届けする。
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