長谷工が「大いなる中小企業」を目指す理由 第2回 2度の経営危機から学んだこととは?

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100戸以上の大規模マンションを得意とする(写真:長谷工コーポレーション)

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「いいときはいいが、悪いときはドカンと落ちる」(辻社長)の言葉どおり、マンション市況の波は激しい。土地を転売するだけで儲かったバブル期、その崩壊後は工事量が急減し、少ない工事を赤字覚悟でゼネコンが奪い合った。2000年代に入り、緩やかに景気が持ち直した直後のリーマンショック。財務の脆弱な新興デベロッパーが根こそぎ倒れ、彼らの物件を建てていたゼネコンの多くが深手を負った。

長谷工コーポレーションの業績も、マンション市場と“一蓮托生”だった。同社は過去に売上高1兆円を掲げて猛進するさなか、景気が傾き不動産価格が暴落。業績が転げ落ちた苦い過去を持つ。翻って、2018年度の売上高目標は8800億円と、気づけば過去の大目標に再び近づいてきた。今の業績はバブルではないのか。「あの頃にはもう戻らない」と断言した辻社長の真意とは。

得意な大型マンションで勝負していく

──長谷工のマンションは手ごろな価格というイメージがあります。

品質はスーパーゼネコンにも負けない自信があるけど、一般のお客さんから見たら、グレード感があまりないんだよね(笑)。その理由は、高級マンションを手掛けていないこと。うちは大型のマンションが得意だから、そこまで手が回らない。自社で高級マンションを手掛けて「長谷工でもできるじゃないか」というイメージを浸透させることで、少しは風穴を開けられるかもしれない。

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