中国の大手家電メーカー・格力電器が500億元の投資計画を突然発表した。背後には同社董事長で著名企業家の董明珠氏と管轄当局との人事をめぐる暗闘がある。
6月25日、大手家電メーカーの格力電器は、本社を置く広東省珠海市で500人が出席する史上最大の株主総会を行った。ただ、出席者の最大の関心事である「配当」と「任期」について会社側からの明確な回答はなかった。
同社の2017年度売上高は前年比37%増の1483億元(1元=約16円)、純利益は同45%増の224億元と過去最高を更新した。一方、11年ぶりに無配となった理由について、スマート家電をはじめとする多角化経営へ投資資金を集中させたいと説明している。
株主総会の前に、格力電器の董事長で著名な女性企業家でもある董明珠氏は、スマート家電用のチップの研究と生産に500億元を投じると宣言し、周囲を驚かせた。
この巨額投資について関係者の間では賛否両論だ。董氏の前任者である朱江洪氏は、「エアコン用チップの開発には高度な技術と人材、経験の蓄積が必要で、あまり自信がない」とネガティブなコメントを出している。一方、レノボの創業者でもある中国工程院院士の倪光南氏は、「生産工程こそ難しいが、チップ設計は可能だ」と評価する。
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