中国の法廷で企業家の名誉を回復させる再審議が次々に行われている。政府が冤罪を認める背景には、民間資本の投資を国内に呼び戻したいという思惑も透ける。
昨年末、中国最高人民法院は、民間企業家に関する三つの重大案件の再審議を発表した。そのうち、小売業大手・物美控股集団の創業者である張文中氏と、家電投資会社・格林柯爾(Green Cool)の創業者である顧雛軍氏にかかわる再審決議が、中国の企業家の注目を集めている。
張氏は米国から帰国後の1994年に、小売りチェーン店「物美集団」を創立し、2003年に香港で株式上場まで果たしたが、06年に、収賄罪で逮捕された劉志華北京市元副市長との関連で、贈賄罪、詐欺罪などで逮捕され、実刑判決を受けていた。今年5月31日に、大方の予想どおり、張氏の再審結果は無罪判決となった。
一方、6月13日に始まった顧氏の再審議は、初日から15時間の法廷答弁がネットを通じて延々と公開され、当事件への国内世論の関心は一層高まった。
顧氏は、95年に冷却剤メーカーの格林柯爾を設立し、00年に香港市場で株式上場を果たした後、01年に広東省順徳市政府から依頼を受け、経営不振の科龍電器を買収した。さらに、03年に同順徳市の美菱電器、江蘇省揚州市のバスメーカー・亜星客車を次々と買収し、事業を拡大した。
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