世界有数のテクノロジー企業を抱えるサンフランシスコ市で、ホームレス問題が深刻だ。ある医療関連組織は同市での会議の開催を取りやめる。
去る7月初め、米シカゴに本拠を構える大きな医療関連組織が、サンフランシスコ市で半年に1回開催してきた会議を今後中止すると決めた。
この医療関連組織の名前は明らかにされていないが、会議が中止された事実が同市の会議ビジネスを統括するS・F・トラベルによって発表された。
この医療関連組織は1980年代からサンフランシスコ市で会議を開催してきた。5日間の会議には1万5000人が参加し、4000万ドルの経済効果を与えてきた。
同市での会議を中止したのは、路上にあふれるホームレスの問題が一向に解決しないためだ。
医師などの医療関係者や医療関連企業関係者らを含む参加者のアンケートでは、同市の路上では麻薬が堂々と利用されており、恐喝行為や精神に異常を来した人々にさらされるため、身の危険を感じるという意見が多かった。そのため次回以降は、ほかの地で会議を実施するという。
サンフランシスコ市はここ数年、運営のコストや物価が高いために会議の開催地として敬遠されることはあったものの、ホームレス問題が決定的な原因となって敬遠されたのは、これが初めてだ。
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