私立の灘、開成、麻布、武蔵、桜蔭などの入学偏差値が極端に高い難関中高一貫校では、中学入試の12歳の時点で、公立進学校の高校3年生の読解能力を持っているというのが、国立情報学研究所の新井紀子教授の見立てである。筆者は灘高校や武蔵高校・中学、筆者の母校である埼玉県立浦和高校の生徒たちと授業やインタビューで接触しているが、その経験に照らして、武蔵中学の生徒は浦和高校3年生の成績上位者と同程度の読解力を持っているという感触を得た。灘高校、武蔵高校のかなりの生徒は、筆者が東京大学教養学部の専門課程で教えていたのと同レベルの話をしても、十分に消化でき議論ができる。裏返して言うならば、こういう超難関中高一貫校の教育法は「読めばわかる」ということになるので、こういう教育法から読解力を養成するヒントは得られない。
ここで重要なのは、読解力がついていないところでアクティブ・ラーニングを行うことはできないというごく当たり前の事実だ。新井氏はこんな指摘をする。
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