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『官僚たちのアベノミクス』 『エコノミクス・ルール』『監視大国アメリカ』ほか

かるべ・けんすけ●時事通信社解説委員。1955年生まれ。早稲田大学卒業後、時事通信社入社。社会部、福岡支社、那覇支局などを経て、東京本社経済部へ。その後、米ワシントン支局特派員、経済部次長、ワシントン支局長、米ニューヨーク総局長、編集局次長、解説委員長を経る。
アベノミクスの今後を見通すヒントを示す
評者 上智大学経済学部准教授 中里 透
アベノミクスがスタートして5年が経過した。異次元緩和も4月4日に丸5年を迎える。「三本の矢」と「黒田バズーカ」の評価は立場によってさまざまだが、このあたりでその原点を振り返っておくことは、経済財政運営の今後の道行きを考えるうえで意義のある試みであろう。本書はその作業、とりわけ「第一の矢」(金融政策)の点検を行ううえで有力な手がかりを与えてくれる。
今では新聞やテレビで金融政策をめぐる議論が毎日のように行われているが、アベノミクスがスタートする前、金融政策は多くの人にとってやや縁遠いものであった。とりわけ永田町においてはそうだ。金融政策の運営は専門的・技術的な側面が強いためにわかりにくく、「票にならない」ものだったからだ。
だが、2012年の衆院選では「大胆な金融緩和」が自民党の政権公約の重点項目に躍り出る。「デフレは貨幣的現象」だから、それに対処するには「輪転機をぐるぐる回してお札を刷ればよい」。この明快なメッセージは多くの支持を得て、金融政策は安倍晋三内閣の経済政策の中心の位置を占めることとなった。
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