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政治・経済・投資 #平成経済の証言

「成長による税収増」神話 石 弘光 その4(全4回)

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いし・ひろみつ●1937年生まれ。一橋大学経済学部卒業、同大学院で博士号取得。同大教授を経て学長。財政制度等審議会委員、政府税制調査会会長、放送大学学長などを歴任。(撮影:梅谷秀司〈2017年〉)

財政悪化の一途をたどってきた平成を振り返り、私が最も問題だと思うのは、政治家という人たちは景気がよくなって税収が上振れると、それを何かに使い切ってしまうことだ。景気がよくなると財政均衡論者になり、悪くなるとケインジアンになる。だからカネはまったく貯まらない。税収が増えたのならば、借金返済に回そうという発想はないのかな。

第2次以降の安倍晋三政権もまさにそれだ。野田佳彦前首相と谷垣禎一前自民党総裁が、このまま行くと財政がどうなるかを自覚して与野党の合意にまでこぎ着けた。にもかかわらず、安倍さんはその意図をあえて無視した。そしてかなり政治的に消費増税を利用しようとしている節があるのが残念だ。

日本銀行の超金融緩和も、そろそろ潮時だ。黒田東彦総裁とは40年も前からの付き合いで、個人的に親しい。だが、アベノミクスが結果的に財政再建を先送りにした、と彼も責任を問われはしないか心配している。

今、国債を平気で増発し続けているのは、まさに超金融緩和で金利を劇的に引き下げたから。それによって国債残高はこの30年で何倍にも増えたのに、年間の利払い費はむしろ下がるという、異様な状況が生まれた。まさに、モルヒネの打ち続けだよ。これからどうするのだろう。上げ潮派、リフレ派の「成長による税収増」で財政再建が達成できるというのは、まったくの虚構だったというのが、この30年ではっきり示された。そのことはよく認識しないといけないだろう。

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