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金融緩和という麻薬への依存 株価急落は市場の懸念の表れ

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  • 森田 長太郎 オールニッポン・アセットマネジメント執行役員/チーフストラテジスト、ウォールズ&ブリッジ代表
もりた・ちょうたろう●慶応義塾大学経済学部卒業。日興リサーチセンター、日興ソロモン・スミス・バーニー証券、ドイツ証券、バークレイズ証券を経て2013年8月から現職。日本国債市場での経験は通算で20年超。グローバルな経済、財政政策の分析などマクロ的アプローチに特色。(撮影:大澤 誠)

2018年は、世界的に株価が勢いよく上昇して始まった。NYダウは1月下旬のピークまで前年末から約8%、日経平均株価は約6%、MSCI新興国株価指数も約8%と大幅な上昇を見せた。ユーフォリックなムードが暗転したのは、1月の米雇用統計での賃金上昇率上振れを受けて米国の長期金利が上昇したためである。NYダウはその後の1週間で過去2カ月分の上昇を完全に吐き出す格好となった。

しかし、材料になった賃金上昇率は前年比プラス2.9%と、失業率の水準や景気拡大の期間を考えれば、過去の同様な局面よりはまだかなり低い。市場の反応はやや過剰であるようにも思える。グローバルな株価急落は、ある意味で、着々と利上げを進めていくFRB(米国連邦準備制度理事会)のスタンスを市場が試した結果との見方もできよう。

もともと、FRBが示している18〜19年中の政策金利の引き上げ見通しに対して、市場の織り込みはかなり慎重なものにとどまっていた。FRBは、利上げは行っても緩和的な金融環境を当面残していくと説明してきたのだが、市場がそれを十分に緩和的とは受け取らない可能性があったのである。では、FRBと市場との間のギャップはなぜ生じていたのだろうか。

市場は、現在の高水準の米国株価は過剰な金融緩和によって支えられている、という冷静な見方をしているものと思われる。実際、米国の名目経済成長率は現在4%程度だが、長期金利(10年国債金利)は、昨年までそれを大きく下回る2%台前半で推移していた。金利は、実体経済対比でまだ極めて低かったのである。中央銀行としては、だからこそ短期金利を段階的に引き上げていこうと考える。FRBは年3〜4回(0.75〜1%ポイント)の利上げ程度なら十分に緩和的だと考えているようだ。しかし、市場はそれでも大丈夫かと懸念し、それがギャップを生んでいるのである。

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