『立憲君主制の現在』を書いた君塚直隆氏に聞く 欧州では王室がビジネスに深く関わる

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「非合理な制度」君主制で、変化が起きている。

立憲君主制の現在: 日本人は「象徴天皇」を維持できるか (新潮選書)
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まずスウェーデンから男女同権

──男女同権が欧州王室の中で最も早いのはスウェーデンなのですか。

スウェーデンで女系同等王位継承制を取り入れた王位継承法が施行されたのは1980年1月。グスタフ国王の長男カール・フィリップ王子(79年5月生まれ)に代わり、国王の長女ヴィクトリア王女(77年7月生まれ)が王位継承第1位とされ、彼女が18歳の誕生日を迎えた95年7月に正式に皇太子に就任した。欧州王室の中でも最も早い男女同権だった。

その後、オランダ(83年)、ノルウェー(90年)、ベルギー(91年)などが続き、英国では2013年に「絶対的長子相続制」が採用されている。17年現在、男子優先を採るのはスペインだが、女子も継げる。ただ、リヒテンシュタイン公国はいまだ男子のみの継承法を維持している。

スウェーデン型の「象徴君主制」が今後の北欧、さらに欧州全体の君主制のトレンドになるかどうかは定かではないが、21世紀の議会制民主主義に根差した君主制の一つの指標になることは間違いない。

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