慎重|ニッセイ基礎研究所 チーフ株式ストラテジスト 井出真吾
「レパトリ減税で円高株安も」
日経平均株価で2万2500円程度の実力が今の日本企業にはある。ところが北朝鮮の地政学リスクなどの外部環境が重荷となり、今夏までは実力どおりに評価されなかった。
北朝鮮が建国記念日の9月9日に大陸間弾道ミサイルを発射するなどの挑発に出なかったことで、地政学リスクへの警戒感が後退。重荷がなくなった格好となり、日経平均は2万2000円台に乗った。
しばらくは2万2000円を挟む展開が続くだろう。
年末2万1000円と見ていたが、思いのほか上がった。ここから2万3000円台を回復できるかだが、円高に転じる懸念があるので、年末で2万2500円くらいだろう。
円高懸念で上値が重くなる
円高になれば、輸出企業の業績悪化懸念が浮上してくる。円高懸念の最大要因はレパトリ減税だ。米国企業が海外子会社から資金を米国内に還流(レパトリエーション。略してレパトリ)する際の税率を大幅に下げる減税政策で、年内に決まり、来年から施行される見通しだ。
レパトリ減税が決まれば、年明けを待って米国内に送金すれば減税メリットを享受できる。裏を返せば、年内はドルを買う動きが弱まるので、円高に振れやすくなる。
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