世界3位のスマホメーカーへ急成長した中国ファーウェイ。多額の研究開発投資をしてなお、10%前後の営業利益率を確保できる高収益の秘密はどこにあるのか。気鋭の経営学者と明らかにする。
(本誌:杉本りうこ)写真:中国・深センのファーウェイ本社。東京ディズニーランドが4つ入るほど広大な敷地で、社員が働くだけでなく、生活もしている
中国のハイテク企業、華為技術(ファーウェイ)は売上高8.7兆円(2016年、1元=16.74円で換算)、世界社員数約18万人のガリバーだ。中国・深センの本社を、早稲田大学大学院経営管理研究科(ビジネススクール)の入山章栄准教授とともに訪ねた。入山氏は米国で10年にわたり経営学研究に従事し、著書『ビジネススクールでは学べない世界最先端の経営学』などで世界の経営の標準を伝えている。その標準でファーウェイを見れば、同社の力の源泉が明らかにできるのではないか、という狙いだ。

入山章栄 早稲田大学 大学院経営管理研究科(ビジネススクール)准教授
いりやま・あきえ●1972年生まれ。2008年米ピッツバーグ大学経営大学院博士号取得。米ニューヨーク州立大学バッファロー校助教授を経て、13年から現職。(撮影:今井康一)
いりやま・あきえ●1972年生まれ。2008年米ピッツバーグ大学経営大学院博士号取得。米ニューヨーク州立大学バッファロー校助教授を経て、13年から現職。(撮影:今井康一)
同行した記者がファーウェイ本社を訪ねるのは3度目である。
1度目は07年。その前年にファーウェイの通信基地局が、新興通信キャリアーのイー・モバイル(現ソフトバンク)に採用されたことがきっかけの取材だった。価格競争力を武器に世界で急成長するファーウェイ。その日本参入とあって、競合であるNECの役員に日本で「脅威ですか」と尋ねたら、「あんな新興企業と比較するとは失礼だ」と怒らせてしまった。
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