ファーウェイは長年「情報を移転させ、交換させ、蓄積する企業」であることに経営資源と意識を傾注してきた。通信設備の企業として始まったが、今そして将来手掛けるべきことは、通信設備に限定していない。もっと本質的に自社のアイデンティティを定義しているのだ。
この定義に外れる投資は、どれだけ儲かりそうでも絶対に行わない。たとえば以前、北京の金融街に不動産を保有していた。一帯の不動産価格は値上がりすることが確実だったが、私たちは上昇の前に売却した。2005年のことだ。私たちに必要な資産ではなかったし、そういう資産に価値があると社員に思わせたくなかったからだ。
こういった経営の選択は、ユニークなガバナンスのあり方に支えられている。社員でほぼ全株を保有することで、外部からの影響を受けずに、長期的な視点で経営に取り組めている。そして配当によって、社員に成長の果実も還元できる。ハイテク産業において何よりも重要なのは人材だ。社員の知恵と知識が、不動産よりも何よりも重要な経営資源なのだ。それはこの産業の基本であり、創業者の任正非氏の信念でもある。だから今後も、ファーウェイが株式を公開することはないだろう。
日本での購買額は3783億円
一方で、われわれに収益をもたらすのは顧客だ。営業部門のみならず、研究開発のような部門で働く社員であっても、つねに顧客視点でいなければならない。顧客の要求だけが、私たちに製品のロードマップを指し示してくれる。
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