5月30日の改正個人情報保護法施行で、個人が特定できないように匿名加工すれば、本人の同意を得なくてもデータを売買できるようになった。
まず動いたのがイオン銀行だ。「匿名加工情報を作成した」とウェブで公表。「年代(5歳刻み)、居住する都道府県、郵便番号、口座開設からの経過月数」などを個人が特定できないように加工した。
Tポイントカードを展開するカルチュア・コンビニエンス・クラブのデータ販売子会社・CCCマーケティングも匿名加工情報の提供をウェブで宣言。「郵便番号は上3ケタのみ、住所は都道府県まで、メールアドレスは@(アットマーク)以降とし、生年月日は年代に変換する」と説明している。
鮮明なSuica事件 炎上恐れて及び腰
ただ、情報通信総合研究所・法制度研究部の桑原俊・副主任研究員によれば、「匿名加工をウェブ上で宣言している会社は8月に入っても数十社あるかないか。どうも様子見状態だ」。多くの会社が二の足を踏むのは、法改正前の2013年に起きた東日本旅客鉄道(以下JR東日本)の「Suica(スイカ)事件」が頭から離れないためである。
この記事は有料会員限定です。
東洋経済オンライン有料会員にご登録頂くと、週刊東洋経済のバックナンバーやオリジナル記事などが読み放題でご利用頂けます。
- 週刊東洋経済のバックナンバー(PDF版)約1,000冊が読み放題
- 東洋経済のオリジナル記事1,000本以上が読み放題
- おすすめ情報をメルマガでお届け
- 限定セミナーにご招待
無料会員登録はこちら
ログインはこちら