民法改正で金融に関わる部分は過去の判例やほかの法律で補完済みの事項をできるだけ条文の形にしただけであり、金融実務に与える影響は限定的だ。その中で、専門家がこぞって注目するのが、当事者間の約定がない場合に適用される利率の法定利率の引き下げだ。損害保険料に影響を与える可能性がある。
法定利率
今回の改正で法定利率は5%から3%に引き下げられた。なおかつ市場金利に応じて3年ごとに見直されることになった。
影響を指摘されているのが、損害賠償額の計算に法定金利を使う損害保険である。
交通事故の後遺症などに対する損害賠償は、将来にわたって被害者が得たであろう利益(逸失利益)を先に一括払いする。10年後にもらえる100万円の現在の価値は、100万円から10年分の金利を差し引いた額になる。その際に使う金利が法定利率だ。法定利率が下がると、逸失利益から割り引く利息が減るので、保険会社が支払う損害賠償額は大きくなってしまうのだ。
この記事は有料会員限定です。
ログイン(会員の方はこちら)
有料会員登録
東洋経済オンライン有料会員にご登録頂くと、週刊東洋経済のバックナンバーやオリジナル記事などが読み放題でご利用頂けます。
- 週刊東洋経済のバックナンバー(PDF版)約1,000冊が読み放題
- 東洋経済のオリジナル記事1,000本以上が読み放題
- おすすめ情報をメルマガでお届け
- 限定セミナーにご招待
トピックボードAD
有料会員限定記事
無料会員登録はこちら
ログインはこちら